2020年08月26日 建築巡り 建築巡り7-2 金沢(金沢建築館・しいのき迎賓館他)
金沢旅行2日目の朝~昼です。
2日目の天気は曇りでしたが、金沢建築館から。
2019年7月に開館したばかり。
設計は鈴木大拙館と同じく谷口吉生です。
1階では開館記念として、『「清らかな意匠」― 金沢が育んだ建築家・谷口吉郎の世界 ―』の特別展示が行われていました。
谷口吉郎の作品群がパネルと模型で紹介されていましたが、撮影不可でした。
2階の常設展示には、現存する赤坂離宮和風別館「游心亭」の広間と茶室が原寸大で再現してありました。
こちらが広間。
敷地の北東側に犀川があり、河川敷に向かって下がっていくため、敷地内で高低差があります。
その高低差を利用して水盤の先、つまり目線の先には空が広がるような構成。
(本物の「游心亭」では和室の向かいに日本庭園があるようです。)
こちらは茶室。
上品な設えです。
1階に下りてきて階段下のカフェへ。
窓の外に前面道路を挟んで住宅が並んでいます。
逆に道の反対側からファサードを撮るとこんな感じ。
写真だと写り込みのせいで見えませんが、エントランスから1階のショップ、カフェへと連続している内部空間が見えます。
このように外から見るとそんなに大きな建築ではない印象を受けますが、入ってみると展示の物量と内容の濃さに圧倒されます。
現在やっている企画展は日本を代表する建築家の海外作品に関する展示のようで、こちらも非常に興味を惹かれます…。
第2回企画展「日本を超えた日本建築 ― Beyond Japan― 」のページ
2020年3月20日(金・祝)~11月29日(日)
https://www.kanazawa-museum.jp/architecture/exhibition/index.html
金沢建築館HP
https://www.kanazawa-museum.jp/architecture/
バスで来た道を歩いて戻ります。
こちらは犀川大橋。
登録有形文化財になっているようです。
金沢城の南側、いしかわ四高記念公園と広坂緑地まで歩きました。
公園の入口にある石川四高記念文化交流館。
煉瓦造りの重要文化財です。
建物の短手側から入りました。
レトロな階段。
また廊下には大きな窓が設けられ、内部が明るい空間になっています。
石川四高記念文化交流館HP
http://www.pref.ishikawa.jp/shiko-kinbun/
となりの広坂緑地へ歩きます。
写真はその間にあるアメリカ楓通り。
鈴木大拙館周りのモミジとは異なり、紅葉していました。
距離は近いのに色が異なるので、余計に「秋」を感じました。
緑地にあるのは、しいのき迎賓館。
旧石川県庁舎本館です。
写真、向かって右側にある鉄筋コンクリート造の建物(旧県庁舎)の左側にガラス張りの部分が加えられています。
階段を上がると踊り場の正面に漆の石川県地図が。
格好良すぎませんか…。
新旧の境目部分です。
トップライトと吹抜けで明るい空間になっています。
正面と、裏。
私が訪れた際はちょうど緑地でイベントが行われていました。
緑地が丘になっているので、ピクニック気分で食事ができるのも良い感じですね。
しいのき迎賓館HP
http://www.shiinoki-geihinkan.jp/index.html
もうひとつ衝撃だったのは、迎賓館内のギャラリーで行われていたガラス展です。
写真撮影不可でしたので、公式のHPアドレスを貼ります。
国際ガラス展・金沢2019
https://glass-kanazawa.jp/works/prize-winner/
ガラスというと、透明でつるっとしたイメージしかなかったのですが、こちらの展覧会で展示されていた作品は、そんなありきたりな固定概念を覆すものばかりでした。
素材の扱いを極め過ぎていて、正直訳が分かりません…。
こちらは金沢駅構内の展示です。
先ほど衝撃を受けたガラスの他にも、加賀友禅など石川県の工芸品が展示されていました。
今回の旅行では、アートと工芸、どちらも拝見できたため、「自分の表現したい世界観ありきで素材を選んで表現するのも、目の前の素材を追求して美しさに辿り着くのも、どちらも芸術なのだな」と改めて感じることができました。
(金沢旅行記、次回に続きます…)
※写真はすべて筆者撮影
※設計者などの人名は敬称略