2020年07月17日 建築巡り 建築巡り4-4 北京市内観光その2
前回の旅行記の続きです。
今回は建築や都市の様子をお送りいたします。
時間が取れずちらっとしか見られなかったものも多いですが、雰囲気が伝わればと思います。
国家大劇院
オペラやコンサートを行う劇場です。
時間が取れず、外観とエントランス付近をちらっとだけ。
設計はフランスの建築家、ポール・アンドリュー。
パリのシャルル・ド・ゴール空港を設計した方ですね。
周りは水盤で囲まれており、地下へくぐってアクセスするような設計になっているようです。
もう少しじっくり、中に入って劇でも見たかったな。
CCTVビル
OMA設計のCCTV(中国中央電視台)ビル。
夜は時間がなくてタクシーで巡りました。
自立しているのが不思議に思えてくる形です…。
(日本に戻ってから知りましたが、こちらを設計したのは重松象平という方で、OMAニューヨーク事務所代表の日本人でした。)
地下鉄駅の壁面に貼ってあった北京のイメージパースにも描かれていました。
まるで彫刻のような、アイコニックな建築物が多い都市です。
三里屯SOHO
建外SOHO
SOHOというのは、Small Office/Home Officeの略で、個人や小規模な事業者が向けの賃貸オフィスのことです。
オフィススペースとともに下階に飲食店など商業施設も入るようです。
急いでいて写真が撮り逃してしまったのですが、こちらの建外SOHOには、日本のシーラカンスアンドアソシエイツが設計したSOHO別荘という建築がありました。
C+A ホームページ PROJECTS 北京建外SOHO/SOHO別荘
https://www.c-and-a.co.jp/jp/projects/beijing-jiang-wai-soho-villa/
銀河SOHO
恐らく見ていただいたらすぐに気づかれる方も多いでしょう。
こちらは以前紹介した大興国際空港と同じく、ザハの設計です。
上空から見るとこんな感じのようです。
「スター・ウォーズか!」とツッコミたくなりました。
そんなことを考えていたら、バス停の広告にて発見…!
内部も見てみたくなったので、最終日のお昼に再訪しました。
白くツルっとした仕上げ。
近未来感が凄まじいです。
ザハというと、個人的に東京新国立競技場コンペのことを思い浮かべてしまうのですが、そんなことも踏まえて目の前の建築についてぼんやり考えていました。
中国の人口の多さや都市の発展のスピード感に、ザハの流線形のような曲線美はフィットしているでしょうか、どこか腑に落ちるような印象を受けました。
銀河SOHO #theta360https://t.co/mPocF4pFCN
— 建築図面受注センター (@Archizumen) July 17, 2020
朝陽公園プラザ
こちらでは駅から歩いていく様子を。
遠くに見えて異彩を放つ黒い不思議な形態の建築がわかりますでしょうか。
あれがお目当ての建築です。
こちらが交差点から見た全体像。
高層オフィスと中層マンション、低層のオフィスと商業施設の複合施設だそうです。
MAD Architectsの設計です。
高層のオフィス棟。
流れる滝で黒曜石が曲線に削られたような形と言えば良いでしょうか。
10+1websiteにも『「山水都市」の概念を体現』とありました。
10+1websiteによるMADアーキテクツの紹介
http://10plus1.jp/monthly/2015/09/issue-03.php
中層のマンション棟を、手前の低層棟の隙間から。
朝陽公園プラザ #theta360https://t.co/iOzlv8RtXi
— 建築図面受注センター (@Archizumen) July 17, 2020
MAD 朝陽公園プラザ
http://www.i-mad.com/work/chaoyang-park-plaza/?cid=4
購入した書籍
最後に少し戦利品の紹介でも。
中国美術館にて入手した「図解 現代建築要素」です。
日本の建築も紹介されていないだろうかと思い、購入しました。
内容としては、建築の場所→写真→スケッチにて意匠などの紹介といった構成。
あんまり読めませんが、有名な近現代の建築がずらり。
わかりやすいのは、名前の途中にアルファベットのOが入るフランク・O・ゲーリー辺り。
日本人のお名前もちらほら。
その中で、個人的に「おっ」と思ったのはこちら。
学生時代に友人と車で見学に訪れたことがあったので。
岐阜県にある、瞑想の森 市営斎場。
自由曲面のシェル構造をしています。
伊東豊雄の設計。
ちょっとした小話でした。
旅について
そんなこんなで中国の旅行記は終了です。
振り返ると実は恐る恐る始まった旅行でした。
と言いますのも『地球の歩き方』を見て情報収集しましたが、日本人の危機感のなさを配慮してか、恐いことばかり(例えば、『地球の歩き方』街中で開いていたらスパイかと思われて逮捕される可能性があるなど)が書いてあったので。
無事に観光できるのか不安でいっぱいでした。
でも行ってみるとそうでもなくて。
例えば、ホテルの最寄り駅の手荷物検査で引っかかったこともありましたが、検査員の方に「スェ(?)」と言われて、首をかしげて表現しつつ「何かわかんないけどバッグ開けて見せればいいか」と対応したらペットボトルの中身の検査をし始めて。
「ああ、ペットボトルのことか、スイって水のことね」とか、「あ、そっか、同じアジア系だし、パッと見ると私は中国人に見えるのか」と理解しました。
そういったひと悶着のおかげで検査員の方に顔を覚えてもらえて、次の日からは親しげに「Hello」と声をかけてもらえるようになりました。
結局、言葉なんてわかっていなくても表情とジェスチャーである程度感じ取れる部分が多くて、想像力さえあれば意外となんとかなるものだなと思いました。
このようなシチュエーションは旅行の中で度々あって、その度に小さな発見と理解がありました。
旅というのは、美しい風景や文化に出会うとともに、それらの発見から自分の中の当たり前を見直す機会にもなるのですよね。
そういった意味で「自分探しの旅に出る」なんて良く言われるのでしょうか。
世間一般で揶揄されるように言われる言葉ですが、私はそういった自分自身の体験を踏まえると、好きな表現です。
今回の旅行も結果的に非常に実りのあるものとなりました。
さて、次回はどちらへ行きましょうか。
そろそろストックがなくなってきてしまいました。
行きたい旅行も行けないこんな世の中じゃ…。
※写真はすべて筆者撮影
※設計者などの人名は敬称略