2019年02月12日 設計事務所 60条証明の運用
建築確認申請の際、事前に「60条証明」という手続きが必要となる場合があります。
前回は、制度の位置づけなどについて、大まかにご紹介しました。
今回は、運用の実際について、より詳しくご紹介します。
1)どのようなケースで求められるか
前回、60条証明とは、建築確認を出そうとしている計画が、以下の都市計画法の規定に適合していることを証明するものであるとご紹介しました。
法第29条 第1~2項(開発許可)、
法第35条の2 第1項(開発変更許可)、
法第41条 第2項(指定の建築制限を超える建築物の許可)、
法第42条(開発行為を受けた土地における建築許可)
法第43条 第1項(開発行為を受けた土地以外における建築許可)
法第53条 第1項(都市計画施設の区域等における建築許可)
しかしこれらは基本的に、許可に関する条項です。
もし、建築確認を出そうとしている計画が、上の条項に関わる許可を要する場合、許可証写しの添付は確認申請に必須ですので、60条証明に拠らずとも、当該条項に適合していることは明白です。
じつは60条証明とは、建築確認を出そうとしている計画が、上の条項に関して、許可は必要ないが法文に適合していることを証明するもの、
つまり、各条項のただし書きによる許可適用除外案件であることを証明するもの、といえます。
平たく言えば、敷地が大規模であったり、市街化調整区域であるにも関わらず、開発許可や建築許可を要しない計画であることを証明するもの、と捉えるとわかりやすいかもしれません。
2)60条証明の申請
(1)申請内容
各自治体で60条証明の申請に必要な書類や手順を整備しているので、開発指導課など所轄の担当機関に赴き、内容を確認します。
一般的には、指定様式の申請書の他、以下のような添付資料を求められることが多いです。
計画内容にもよりますので、必ず担当機関で確認する必要があります。
配置図・付近見取図、公図の写し、土地・建物の登記事項証明書、敷地求積図、造成図、給排水計画図、排水計算書、建築の平面図・立面図 等
(2)手続きにかかる期間や申請手数料
これらも、合わせて担当機関で確認する必要があります。
特に手続きに要する期間は、計画内容や提出書類の内容などにより大きく変わるので、注意が必要です。
(3)審査
申請書類は一般に、開発指導課などの受付担当窓口にとどまらず、関係各課に諮られます。
たとえば、建築関係、環境関係、上下水関係、景観関係、産業関係などの各課です。
各課のチェックにより、思いもよらない規制が判明したり、指導が行われる場合もあるので注意が必要です。
確認申請前に、余裕あるスケジュールをもって60条証明の申請を行うことが重要です。
以上、60条証明の運用についてご紹介しました。
実務において参考になる部分がございましたら、ぜひご活用ください。
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