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2018年10月11日 設計事務所 基本計画のすすめ-2

設計に先立ち、「基本計画」が策定されていることは、建築の発注者にとっても、設計者にとっても大変メリットのあることです。

 

今回は、「基本計画」の内容について詳しくご紹介します。

 

 

1)与件の整理

 

発注者による与件を整理します。

用途、想定面積、想定工期などの基本的な情報の他、各室の要求性能、特に希望する事柄や留意事項などをヒアリング調査などにより明らかにし、まとめます。

 

 

2)法的環境の整理

 

敷地にかかる法規制、敷地内に既存建築物がある場合はその法的状況、新たな建築工事に関連する法令や特に問題となると予想される条項等を調査し、まとめます。

 

特に、敷地内の既存建築物については、それが既存不適格建築物であること、つまり違反建築物でないことが、プロジェクト全体にとって大変重要ですので、早い段階でその確認を行います。

 

 

3)概略ボリューム、概略配置の検討

 

新築計画の場合は、与件や法的条件をもとに、建築物のおおよその面積を算出するとともに、規模(階数)や敷地内の配置を検討します。

 

必要に応じて、複数案の比較検討をします。

 

 

4)要求水準の指定

 

耐震性や防耐火性、耐久性などの建物全体に関わる性能や、遮音性や室内環境、仕上などの各室に関わる性能など、設計時に検討し満足させることが必要な事項を指定します。

 

 

5)モデルプランの検討

 

必要に応じて、上述の検討をもとに、概略プランを作成します。
単純なブロックプランに留める、シングルライン程度のプランとする等、計画に適した精度で作成します。

 

モデルプランは、基本計画の内容が実現可能であることを確認するための、標準的な一例として示されるものです。

 

同時に、モデルプランは、基本計画において概算を行う際の算出根拠となります。

 

基本計画策定者にとっては、モデルプランを作成することにより、それまで気が付かなかった設計上の留意点が発見される場合もあるので、大変有意義な作業です。

 

モデルプランはあくまで素案の一つであり、設計時には、モデルプランを一つの参考基準として、より良い提案を検討するなど、発展的に利用する必要があります。

 

 

6)工事計画の検討

 

工期や工事手順、施工の際の概略仮設計画などを検討します。

 

特に、居ながらの改修計画の際は、重要な検討になります。

 

 

7)大概算の算出

 

モデルプランをベースに工事費を算出します。

設計図に基づく積算ではないので、あくまで大概算になります。

発注者は、大概算を参考に、予算確保をしたり、与件を再調整したりすることができます。

 

以上、基本計画の内容について詳しくご紹介しました。

建築図面受注センターでは、基本計画業務もお引き受けしています。

例えば、上述の1)~3)のみを行うだけでも、有用な場合もございます。

ぜひご活用ください。

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