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2018年10月09日 設計事務所 基本計画のすすめ-1

建築の発注者にとって、設計事務所や建設会社に設計を依頼する際、どのような設計にしたいのかを正確に伝えることは、大変重要なことです。

 

また、設計者にとっても、設計業務に先立って、設計条件を明確に発注者と共有しておくことが必要です。

 

今回は、設計に先立って実施が望まれるプロセス、「基本計画」についてご紹介します。

 

 

1)基本計画とは

 

「基本計画」とは、設計に必要な条件をまとめるプロセスと要約することができます。
法的条件や発注者による与件を洗い出した上、概略配置や概略規模、要求する性能、概略工期、概略工事計画、概算などを必要に応じて検討し、設計条件としてまとめます。

 

一般に、建築のプロジェクトは、この「基本計画」をはじめとして、基本計画に基づいてプランや仕様概要を決定する「基本設計」、基本設計に基づいて工事見積用図面を作成する「実施設計」、実施設計に基づいて建築を生産する「施工」の流れで進みます。

 

民間案件ではこれまで、非常に基本的な事柄だけを条件に、設計事務所や建設会社に設計が依頼され、「基本計画」にあたる作業内容は、「基本設計」初期のごく短期間に消化されているか、基本設計と渾然一体となって処理されているケースが多かったと考えられます。

 

 

2)基本計画を実施するメリット

 

 

(1)受発注条件の明確化により、確実かつ発展的なプロジェクト運営ができる

 

設計に先立ち、しっかりした期間を確保して「基本計画」を策定しておくことで、発注者は、自らの建設事業に対して明確なビジョンを持ち、自信を持って設計事務所や建設会社に設計を依頼することができます。

 

つまり、建築の専門家に任せきりにすることなく、計画をコントロールできます。

 

設計者にとっても、設計条件を、設計初期からスムーズに把握することができ、作業効率の向上につながります。

 

また、基本計画という明確な軸が設定されているからこそ、基本計画を上まわる案や、基本計画の条件を一部変更したバリエーション案などを状況に応じて提案しやすくなるというメリットもあります。

 

 

(2)計画の初期リスクを軽減しつつ、素早くスタートが切れる

 

基本計画のみを、設計業務とは切り離して単独で発注することにより、基本計画段階では、必ずしも、最終的に設計を託す設計事務所や建設会社(設計施工の場合)が決定されている必要がなくなります。

本格的な建設事業体制をプロジェクトの最初期に決断することなく、素早くキック・オフすることができます。

 

また、計画が見込み段階である場合も、「基本計画」までを先行して発注策定しておくことで、将来、実行段階にスムーズに移行できます。

 

以上、「基本計画」についてご紹介しました。

 

建築図面受注センターでは、基本計画業務もお引き受けしています。ぜひご活用ください。

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