2021年03月30日 建築巡り 建築巡り9-2 愛知(博物館明治村・豊田市美術館)
ブログの更新、間が空いてしまいました。
やはり年度末は少しバタバタしますね。
いつの間にか春です。
さて、名古屋旅の続きから。
といっても2日目は名古屋から離れて、愛知県犬山市にある博物館明治村と、豊田市にある豊田市美術館へ参ります。
まずは明治村へ。
明治村は野外博物館で、各地から移築された建造物等が公開されています。
こちらは帝国ホテル中央玄関です。
これが見たくて明治村まで行きました。
以前紹介したヨドコウ迎賓館と同じ、フランク・ロイド・ライトの設計です。
建築巡り5 ヨドコウ迎賓館 | 建築図面受注センター (e-zumen.jp)
レンガや石材を用いた重厚な面持ちをしています。
用いられている石材は栃木県で産出された、「大谷石」というものだそうです。
凝灰岩の一種で軽量かつ火に強いため古くから用いられてきたことや、産出量が豊富で輸送手段も整備されていたことが背景にあり、ライトが材料として選んだとのこと。
中も見学できます。
入ってすぐの吹き抜けの空間。
2階の高さから入口を振り返って撮りました。
https://twitter.com/Archizumen/status/1374608398331703300?s=20
360°の写真を見てもらえばわかる通り、天井には照明がありません。
しかしながら周囲に開口部が多く、落ち着いた明るさでした。
内部にも展示物があります。
竣工当時の図面やライトの略年譜のほか、石材やステンドグラスの紹介もありました。
引き続き明治村を散策していきます。
旧内閣文庫本庁舎。
ルネサンス様式の建物。
設計者は国会議事堂と同じで、大熊義邦という方だそうです。
館内では世界のミニチュア建築が展示されておりました。
かつて本棚として使われていた棚を模型の展示に使っているようです。
世界や日本の名建築のミニチュアがズラッと並ぶ中、すっと現れる「わが家」。
広い世界の中にも、自分の慣れ親しんだものを忘れず愛する、制作者の心を感じました。
ヨドコウ迎賓館の模型も。
説明には、帝国ホテルと同様に大谷石が用いられていると書かれていました。
明治村には他にも歴史ある建築物がたくさんありました。
時間の都合上、今回はかなり急ぎで見てしまったので、次に行くときはゆったり見る時間を取りたいと思います。
さて、場所を移動して豊田市美術館へ。
駅から徒歩で向かいましたが、何か違和感…。
建築雑誌や美術館のホームページにある写真とイメージが違うなあと。
入ってみてわかったのですが、どうやら建物の裏側から来てしまったようです。
展示室のすぐ横から入ることとなり、早速展覧会へ。
このときの内容は、「豊田市美術館25年のあゆみ-展覧会ポスターとコレクション」ということで、美術館所蔵の選りすぐりの作品群が当時のポスターとともに展示され、非常に見ごたえがありました。
展示室の移動の途中で、やっと雑誌で見た事のある景色が。
天井から伸びてくるインスタレーションと壁一面に点在する文字群、その間を通る階段。
文字を読んでみると、カント、ウィトゲンシュタイン、空海、夏目漱石、宮沢賢治…。
読めた部分から推測して、どうやら哲学者や思想家、文学者のお名前が並んでいるみたいです。
順番に展示室を巡ります。
建築の仕上げを見ると、部材と部材を同面で納める部分などが多数見受けられます。
質感や情報量を極限までそぎ落とすかのようなデザイン。
展覧会を終えてから外部へ。
正面です。
本当はこちらからアクセスしたかったんですよね。
すっかり陽が落ちてきて、横から差していますが。
豊田市美術館、設計者は谷口吉生、庭園などランドスケープデザインはピーター・ウォーカーです。
屋外にも展示物がありました。
鏡に反射した光が影を切り裂いて、不思議な印象です。
最初に入った裏側の方を見ると、豊田市全体が望めます。
敷地内を散策しながら、写真を撮り歩いて、満足したので帰るところです。
後から見ると、ホームページに載っているルートを完全に逆走していました。
それもまた一興。
豊田市美術館HP
建築・庭園について | 豊田市美術館 (museum.toyota.aichi.jp)
名古屋駅から帰路につきます。
※写真はすべて筆者撮影
※設計者などの人名は敬称略