2018年10月03日 設計事務所 Googleマップを活用した敷地調査
インターネットの発達により、設計に必要な情報の多くが、かつてより簡単に入手できるようになりました。
設計が始まると、何はともあれカメラを持って敷地視察という習慣がかつてはありましたが、現在では、まずはWEBからできるだけ情報を収集し、十分な事前調査をした上で、初めて敷地に赴くという設計者も多いのではないでしょうか。
数あるWEBサービスの中でも、「Googleマップ」は、設計者にとって、多くの情報を提供してくれる重要なツールです。
今回は、Googleマップを活用した敷地調査についてご紹介します。
1)あらためて、Googleマップとは
GoogleがWEB上で提供している地図サービスです。
多くの人が、道順案内やスポット情報など、地域情報検索ツールとして日常的に利用していますが、一般的な2D地図や航空写真の他、地図情報を豊かに拡張する特別な機能が付加されていることにより、設計者にとっても、オフィスにいながら、敷地を多角的に把握するのに役立つ貴重なツールとなっています。
2)EARTHモード(3Dマップ)
上空のあらゆる位置、あらゆる角度から、建物や地形を立体的に眺めることができる機能です。
街全体の雰囲気や敷地周辺の建物の規模感などを、とても良く把握することができます。
かつては、地道に敷地周辺模型を作製して把握していた敷地周辺のボリューム感を、現地に赴く前の段階で、手早く掴むことができます。
また特に、比較的大きな既存建物の改修計画などでは、対象建築物を、完全な姿ではないにしても、様々なアングルから眺めることができ、重宝します。
3Dマップ対象地でのみ使える機能ですが、対象地は地方都市にまで広がってきています。
3)ストリートビュー
道路から見た風景を360度眺めることができる機能です。
設計の手始めに、まずは敷地周辺の道路をストリートビュー上で巡り歩く設計者も多いのではないでしょうか。
敷地前面道路から敷地や隣地建物がどう見えるか、前面道路のストリートエレベーションはどのような様子かなどを、アイレベルでチェックすることができます。
また、道路自体の現状を確認できる点でも有用です。
例えば、中央分離帯の有無や(つまり敷地への右折進入ができない)、歩道の構成、電柱の位置など、2D地図ではわかりづらい事柄も、現地に行かずとも確認することができます。
現地視察で見逃した事柄も、ストリートビューで事後的に補完できた、ということもしばしばあります。
4)距離の測定
実は、任意の地点間の距離を測ることができます。
例えば、地表面粗度区分の決定に必要な海岸線からの距離や、危険物施設を計画する際の近隣施設との保安距離、旅館業法の距離制限など、法規上必要な距離の把握に役立ちます。
以上、Googleマップを活用した敷地調査についてご紹介しました。
参考になる部分がございましたら、ぜひご活用ください。
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