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2018年02月05日 設計事務所 【宅建業法】法改正のメリット・デメリット

建物状況調査(インスペクション)に関わる「宅地建物取引業法(宅建業法)の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定し、施行日を2018年4月1日に定めました。

その改正内容の現状におけるメリット・デメリットをお伝えします。

 

 

1) 建物状況調査(インスペクション)とは

 

具体的には、建物の取引において、情報提供の充実を図るため、宅地建物取引業者に対して今後3つことを義務付けします。

一つ目は、媒介契約において建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の交付です。

二つ目は、売主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明することです。

三つ目は、売買時の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面を交付することです。

 

 

(1) メリット

 

中古住宅の売買において、購入後のトラブル多かったのですが、がインスペクションで確認できない重大な瑕疵(かし:欠点や欠陥など)が発覚した場合、「既存住宅瑕疵(かし)保険」に加入していれば、その補修費用を保険金でまかなえます。

 

そうすることで、購入後のトラブル防止に繋がりますし、瑕疵保険に加入するためには、検査機関による診断で保険会社が求める品質を満たす必要がありますので、建築士による建物の状況調査が行われ、その状況を買主に伝えた上で売買を行うことができるため、中古住宅の売買促進が期待されます。

 

また、インスペクションを行うため、建築士の業務の幅が広がります。

 

 

(2)デメリット

 

2013年6月に策定されている「既存住宅インスペクション・ガイドライン」では、中古住宅の現状を把握するための基本的な現況調査(「構造耐力上の安全に問題のある可能性の高いもの」:蟻害・腐朽・腐食や傾斜・躯体のひび割れ・欠損など、「雨漏り・水漏れが発生または発生する可能性が高いもの」、「設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの」など)を行いますが、目視可能な範囲に限定されており、現況調査で隠れた瑕疵を見つけるのは困難です。

 

また、インスペクションを行う専門家(建築士)が少ないため、インスペクションの研修の強化や建築士以外を対象に加えるなどが検討中です。

 

他にもインスペクションの費用を誰が負担するか、宅地建物取引業者は仲介の業務をどういった手順で行うかの検討など施行日までの検討事項が山積みです。

 

以上のように、政府にはインスペクションや瑕疵保険の加入を促して、中古住宅の売買を活性化させたいという考えがありますので、上手に制度を活用して、中古住宅売買に活かしていただければと思います。

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