2022年05月12日 建築巡り 建築巡り13(大阪中之島美術館ほか)
かなり時間が空いてしまいました。
大変ご無沙汰しております。
今回は大阪街歩きと、美術館の展覧会の様子を紹介します。
数回に渡って散歩しているので、時系列がおかしくなるかもしれませんが、 そこはご了承ください。
まずは、なんばHIPS。
アイコニックなファサードが特徴の商業施設。
見た目がわかりやすいので、私がなんばで友人と待ち合わせするとき、だいたいこのHIPSの入口で待ち合わせます。
このひょうたんのような空洞に設置されているのはフリークライミングウォールだそうで、それより以前はその上に赤いレールが見えていますが、フリーフォールが設置されていたそうです。
ナンバ・ヒップス | Project | 高松伸建築設計事務所 (takamatsu.co.jp)
設計者は高松伸。
私は学生時代に図面を拝見したことがありますが、ドローイング(手書きの図面)の迫力に圧倒されます。
さて続いては中之島へ。
大阪市中央公会堂。
国の重要文化財です。
赤煉瓦が特徴的ですよね、辰野金吾と片岡安の設計。
このときは周辺の道路の整備工事中でした。
こちらは4月の写真です。
工事も終わっていたので、夜の散歩が捗りました。
こちらは、こども本の森 中之島です。
安藤忠雄設計。
入館には予約が必要とのことで、外観だけ写真を撮ってきました。
屋外には周辺の環境を表現した敷地模型や
兵庫県立美術館にもあった青いりんごのオブジェがありました。
これらの展示は、建物の入口の横にあります。
施設について | こども本の森 中之島 (kodomohonnomori.osaka)
中央公会堂とこども本の森の間には、大阪市立東洋陶磁美術館があります。
この時は『特別展「黒田泰蔵」』が開催中でした。
私は器に造詣が深いわけでも、コレクターでもありませんが、 真っ白でピュアな形に興味を惹かれ、足を運びました。
美術館の2階の吹抜け部分。
黒田泰蔵と親交が深かった安藤忠雄からの紹介文や、
彼の工房の横に「水の展示室」というギャラリーを設計した際のドローイングの展示もありました。
気を取り直して作品展示へ。
何だか繊細そうな、それでいて力強さも感じる、不思議な緊張感を持ったうつわです。
哲学的で難しい…。
ただ何となく、自分の頭の中にある抽象的な美しさを具現化したうつわの完成を目指しつつ、そのアウトプットの過程で自身の感性や在り方を探っているような、求道者のような印象を受けました。
その張り詰めた姿勢こそが、うつわに美しさと緊張感を両立させるバランス感覚をもたらしているのではないかと、勝手に何か少しわかった気になりました。
過去の展覧会 | 展覧会情報 |大阪市立東洋陶磁美術館 (moco.or.jp)
こちらは常設展示。
他にもたくさん陶磁器が展示されていました。
さて、日も変わりさらに場所を移して大阪中之島美術館へ。
黒い箱を浮かせたような外観と、大きく穿たれた開口部が印象的です。
開館記念の展覧会を見に来ました。
展覧会会場は4階と5階ですので、2階のエントランスを入ったあと、吹抜けの大空間内を交差しているエスカレーターでアクセスします。
この吹抜け空間と会場の構成が、来場者の高揚感を演出していますね。
コレクション展は一部のみ撮影可能でしたので、少しだけ紹介いたします。
こちらの椅子は、倉俣史朗の『ミス・ブランチ』です。
以前より写真では見たことがありましたが現物は初めてでしたのでテンションが上がりました。
影が特に綺麗で、人がはけるのを待ってから何枚も写真を撮ってしまいました。
アクリルで出来ているので、座り心地は固くないのだろうか、どうなのだろうとも思いつつ、その美しさに見惚れていました。
椅子の展示は他にもあり、特に建築家が設計した椅子がたくさん見られてワクワクしました。
例えば、ヘリット・リート・フェルトのジグザグチェアやマッキントッシュのハイバックチェアなど。
コレクション展ということで数も種類も多く、非常に見ごたえのある展覧会でした。
こちらは屋外に展示されている『シップス・キャット』という作品。
実は、最近旅行した香川県でも出会うことになるのですが、その話はまた今度…。
アートの話ばかりになってしまいましたが、もちろん建築自体も素晴らしかったです。
これらは4階と5階をつなぐ階段、エントランス入ってすぐの吹抜け空間や、展示室の途中にある休憩スペース、最上階にあたる5階のミュージアムショップ付近の写真です。
外観に表れていた開口部は、内部では休憩スペースなどに面していて、川の中州に位置する中之島の街並みを一望することができます。
Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり― | 大阪中之島美術館 (nakka-art.jp)
※写真はすべて筆者撮影
※設計者などの人名は敬称略
※道中は全て1人で行動(マスク着用・各所にてアルコール消毒)