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2017年01月11日 工務店 ハウスメーカーと工務店との家づくりの違い

マイホームを建てるにあたって、ハウスメーカーに頼んで建てるべきなのでしょうか? それとも、地元の工務店に頼んで建てるべきなのでしょうか?

 

ハウスメーカーが家づくりの専門会社であるならば、工務店も建築のプロ。

 

両者は家造りのプロセスが違うだけなのです。

 

今回は、ハウスメーカーと工務店の家づくりのプロセスの違いを説明いたします。

 

 

ハウスメーカーの家づくり

 

ハウスメーカーの家づくりの特徴は、窓口となる営業担当者を中心として、各分野の専門スタッフが社員として揃っている点です。

 

一昔前では、施主との打ち合わせを契約までは営業が担当して、契約後の仕様決めの段階はコーディネーターが担当し、工事に入ると現場監督が担当するというように、工程によって窓口が変わる方式を取るハウスメーカーが多くありました。

 

その場合、打合せ内容全体の流れを誰も把握する事ができないことがトラブルの原因となっていたため、最近では営業担当者が完成まで施主の窓口になり、打合せの流れを営業担当者がコントロールするメーカーが増えています。

 

ハウスメーカーの営業担当者は、建築を勉強してきた人が必ずしもなっている訳ではなく、保険の営業と同じような感覚で住宅営業に取り組んでいる方も多くいます。また、ハウスメーカーの営業担当者は、建築の専門知識よりも施主のコミュニケーション能力の方を会社側は求めています。

 

打合せの流れとして、最初に住宅展示場などにて営業担当者より建物の特徴などの説明を聞きながら、会社の良し悪しを判断して、気に入ったハウスメーカーの営業担当者に自分の計画内容を相談します。

 

営業担当者は、お客様からの要望を聞き入れ、現地調査を行い、プラン作成や見積依頼を現場監督や提携下請け業者に依頼します。

 

ハウスメーカーにもよりますが、ほとんどのハウスメーカーでは設計部門を設け、プランニングは営業からの報告を基に、設計担当者がプランを作成します。そのプランを施主目線で打合せした内容通りになっているかチェックを営業担当者が行います。

 

現場調査は営業担当者も現場をみますが、本体工事費以外の付帯工事や別途にかかる工事内容についての調査は現場監督が行うハウスメーカーが多いです。その際、水道関係や解体工事費などは提携下請け工事業者が現場調査し見積します。

 

設計担当者が作成したプランと現場担当者や積算担当者が作成した見積内容を営業担当者がまとめます。それに仕様が判るようなプレゼンツールを加えたものがハウスメーカーの標準的なプレゼンテーションの内容となります。

 

プレゼンテーションの書式やツール類はハウスメーカー各社が事前に用意していますので、営業担当者は決められた通りの書類内容を案件ごとに作成すれば良いようになっております。

 

施主は、そのようなプレゼンを数社から求め、プラン内容・仕様内容・見積内容を精査して契約するハウスメーカーを決定します。

 

契約後は、営業担当者を窓口としてコーディネーターと共に、仕様決め作業を行います。ほとんどのハウスメーカーは展示場の中に打合せスペースを用意していて、各仕様のサンプル類が揃っています。施主はそのサンプル類を見ながら各仕様の色や柄を決めていきます。通常3回くらいの打合せで全体の仕様をまとめています。

 

工事に入ると、営業担当者と現場監督が仕様決めにて決まった内容についての確認作業を現場で行います。

 

最初に配置図に基づいて建物の配置確認から行い、確認が終わってから工事着手をします。工事に入ってからの打合せは構造体が建て終わった段階で、電気配線の打合せや手すりの高さなどの壁内に隠れてしまう配線や下地が必要な工事について、現場打合せを行います。

 

そして、工事がほぼ完了した段階で、施主検査として図面内容・仕様書内容通りになっているかを、打合せして決めた内容通りになっているか施主が現場チェックを行います。

 

その作業にて、万が一違う内容になっていた時は、ダメ工事として引き渡し日までに修正作業を行い、引き渡しに至ります。

 

以上が、ハウスメーカーの標準的な家造りの流れです。

 

 

地元工務店の家造り

 

地元工務店は社員数が10人以下の小規模な会社が大半です。

 

もちろん住宅展示場など保有している工務店などほとんどありません。ましてや宣伝広告などほとんどしていません。

 

そのため、以前では、現場見学会や不動産業者や知人からの紹介によって地元工務店の情報を知るしか方法はありませんでした。

 

しかし最近では、インターネットや地域の情報誌などから地元工務店の情報を得る事ができるようになりました。そして地元工務店はハウスメーカーなどの下請けから直接エンドユーザーから受注が得られるように、その特性をアピールするようになってきています。

 

地元工務店の場合、ハウスメーカーのような窓口になる営業担当者がいる場合もありますが、社長が自ら窓口担当に着く事も多くあります。

 

ハウスメーカーの場合は、社内に専門スタッフがいますが、工務店では専門スタッフは外注先とパートナーシップを組んで打合せを進行させていくのが特徴になります。打合せ窓口の営業は、その工務店の社員が行い、設計については外注先の設計事務所が担当するようになります。

 

そのため、プラン作成の段階から外注の設計事務所の設計士が同席して打合せを行い、施主のニーズに沿ったプランを作成します。

 

見積もり作業は、社内の現場監督や社長が積算しますが、水道やガス、解体工事などの専門業者よる別途工事の見積は、ハウスメーカー同様に提携先の下請け専門業者に依頼します。

 

工務店の場合のプレゼンテーションは、ハウスメーカーのような仕様が判るようなツールがある訳ではなく、プランと見積に仕様の説明は商品カタログに付箋などをして、説明をします。

 

多くの工務店は本契約の前に簡単なプランと概算見積と商品カタログによる説明にて、設計契約(仮契約)を行う工務店が多いのが特徴です。なぜならば、外注の設計事務所がプランニングすることから、設計事務所は自らの仕事確保を確定する作業を優先する訳です。

 

設計契約後は、今まで100分の1の図面で打合せしていたのが50分の1の図面となり、仕様書も含めて詳細な打合せを行い、その内容に基づいて作成した見積金額で請負契約(本契約)を結びます。

 

ここからがハウスメーカーと工務店とのプロセスの違いとなります。

 

ハウスメーカーの場合は営業担当者とコーディネーターとで、工事着手前の仕様書のすべての品番を確定させますが、工務店の場合は工事の進捗に合わせて現場打合せを中心に仕様書の品番や色・柄の確定作業を行います。

 

したがって、工務店での家造りのプロセスでは現場打合せが大きなウエイトを占めるようになるのです。

 

具体的には、配置確認は工務店の現場監督と基礎屋さんが立ち会って打合せします。上棟後の下地が必要な工事位置合わせは現場監督と大工さんが立ち会って打合せし、電気配線は電気屋さんが立ち会い、内装は内装屋さんが立ち会うように、実際に施工する職人さんが打ち合わせに参加します。

 

工程に準じて打合せしますので、引き渡し間際まで最終的な工事金額が確定できないデメリットが工務店にはあります。

 

 

ハウスメーカーと工務店の家造りの違い

 

 

  • ハウスメーカーは専門スタッフを社員として保有しているのに対し、工務店は外注先とネットワークを組んで打合せを進めます。
  • ハウスメーカーは、工事着手前に図面内容や仕様内容のすべての内容を確定させてから工事着手しますが、工務店の場合は現場打合せを中心に工程に合わせて仕様打ち合わせを行います。
  • ハウスメーカーは工事着手前に工事金額が確定するのに対し、工務店では引き渡し間際まで工事確定ができない。
  • ハウスメーカーは実際に施工する職人さんとの接点があまりないが工務店では現場打合せに職人さんが参加してくれる。

 

以上が、ハウスメーカーと工務店との打ち合わせのプロセスの違いです。

 

冒頭にも書きましたが、どちらが良いかは自分が望む打合せプロセスで、ハウスメーカーか工務店かを決めるのが良いでしょう。

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