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2019年11月21日 建築巡り 建築・展覧会巡り2 広島の美術館

最近、美術館巡りが趣味になりつつあります筆者です。

 

美術館は公共建築であるので、住宅などと違い気軽に回れるのが良いですね。

 

 

先日は、日帰りで広島へ美術館を見に行って参りました。

 

尾道市立美術館と広島市現代美術館です。

 

 

 

 

尾道 千光山

 

 

まずは尾道駅で下車。

 

瀬戸内海と千光山に挟まれ、緑と青と和風建築が並ぶ豊かな場所でした。

 

美術館は千光山の中腹にあるので、ロープウェーで向かいます。

 

 

上の写真はその麓にある、艮(うしとら)神社。

 

千光山周りには寺社仏閣が多くありますが、その中でも最も歴史が古いとか。

 

「本日はお邪魔いたします」とご挨拶に伺ってからロープウェーに乗りました。

 

 

 

こちらがロープウェーからの景色です。

 

遮蔽物がほとんどなく、景色がとても良かったです。

 

 

 

 

尾道市立美術館

 

 

ロープウェーを登りきって頂上の展望台から尾道市立美術館を見下ろしています。

 

建物は平成15年に安藤忠雄の設計で改修、リニューアル・オープンしたそうです。

 

和風の建物とRC造でガラスのカーテンウォールの建物が組み合わさった、不思議な雰囲気の建築でした。

 

 

 

建物の正面から。

 

内部のRCの躯体に取り付けられた展示物と、階段で2階へ上がっていく人の姿が見えます。

 

こういった人の動きが外から見えるのは良いですよね、他の方が鑑賞されている姿を見てこれから鑑賞しに行く自分自身もワクワクしてくると言いますか。

 

 

 

正面の入口部分。

 

1階の受付と2階の休憩スペースが見えます。

 

 

 

入口外部側からハイサイドライトを見上げています。

 

とても明るく心地のよい入口。

 

 

 

展示室と展示室の合間に休憩スペースが配置される構成。

 

上の写真は窓から外を。

 

和風の屋根の影が、コンクリート打ちっぱなしの壁に落ちくっきりと映えていました。

 

『折衷』の良さを強く感じるポイントでした。

 

 

 

そして順路の最後、2階の休憩スペースからの景色です。

 

空の青さ、山々の緑、海の青、そしてそこに広がる街並み。

 

朝から行ったので人もそこまで多くなく、景色を独り占めできました。

 

景色がバツグンに良く、またその景色も込みで空間構成を行った設計意図を感じ、脱帽でした。

 

 

 

 

広島市現代美術館

 

さて、今度は尾道から広島へと移動です。

 

JR山陽本線で2時間弱。

 

意外に距離がありました。

 

 

 

広島駅からは路面電車で移動します。

 

広島ならではですね、かわいらしいデザイン。

 

 

写真は宮島へ向かう路線のようです。

 

厳島神社に行かれる方が乗るのでしょう。

 

 

 

広島市現代美術館に到着です。

 

こちらは比治山公園の中にあり、森の中に静かに佇んでいる感じでした。

 

建物は黒川紀章設計。

 

内部や外部を問わず随所で幾何学的な形が用いられ、遊び心満載のまさに現代美術館といった印象でした。

 

 

 

写真は内部の螺旋階段。

 

円形のトップライトと壁に穿たれた開口部。

 

中央には昇っていく階段の彫刻があり、エッシャーの騙し絵のような不思議な雰囲気です。

 

 

 

家具も変わったつくりをしていました。

 

見ていて楽しい。

 

 

 

こちらの写真では内部の通路から外部を見ています。

 

形を用いるリズムが独特でひとつも飽きなかったです。

 

 

 

展示を見終わり、西日が当たる美術館を外から見ています。

 

この日は本当に良い天気でした。

 

 

 

 

展覧会内容他、美術館情報

 

尾道市立美術館では、11月初めまで開催されていた瀬戸内国際芸術祭に合わせ、現代アートの展示でした。

 

私は5月に芸術祭を見て回りましたので、その時に見たアートと同じ作家の別の作品が展示されていて、その旅行を思い出すような懐かしさも感じました。

 

 

また展示ではないですが、家具も凝っていました。

 

私の写真にも映っていますが、休憩スペースにはイームズチェアやミースのバルセロナチェアが配置されていて、こちらも合わせて楽しめました。

 

椅子やそのデザインに興味がある方にもオススメの美術館です。

 

 

 

広島市現代美術館では『インポッシブル・アーキテクチャー』という展覧会が行われていました。

 

建築家のドローイングや模型を用いて実現しなかった、あるいはそもそも計画やイメージのみの建築を年代順に展示し、新たな視点から建築史を振り返るという企画で、非常に刺激的でした。

 

展示はロシア構成主義、ウラジーミル・タトリンの第三インターナショナル記念塔から始まり、最後の方にはザハ・ハディドの新国立競技場案もありました。

 

 

もともとはこの展覧会のパンフレットを見て、「絶対面白いはず、日帰りで広島に行こう」と日帰り旅行を決めてワクワクしながら来たのですが、名前を聞いたことがある建築家が多く親近感を感じる一方で、実在しない建築ということで目新しさも感じる素敵な展示内容でした。

 

 

実在しないが故にむしろ各々の建築家の思想がより色濃く反映されていたり、絶対に実現させてやるというような強い意志がリアリティとして現れ迫力というか、凄みがあったりして、自分もエネルギーをもらえた気がします。

 

 

特にザハの案は実施設計図がズラッと並んでいたり、屋根のキールアーチ周りの詳細模型があったり、あるいは環境に関するシミュレーション映像もあったり。

 

 

こちらはガッツリ建築系の展示ですので、建築史に興味がある方はぜひ一度見に行ってはどうでしょうか。

 

こちらの会期は12月8日(日)までです。

 

 

※写真はすべて筆者撮影

※設計者などの人名は敬称略

 

 

尾道市立美術館ホームページ

https://www.onomichi-museum.jp/exhibition/index.html

 

広島市現代美術館ホームページ

https://www.hiroshima-moca.jp/

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