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2018年11月27日 設計事務所 アルキャストについて

アルミの鋳造製品は、機械部品をはじめ様々な用途に用いられています。

 

建築現場では、特に特注のアルミ鋳物部材を指してアルキャストと呼ばれ、外装パネルや造作部材として用いられることが多い素材です。

 

今回は、アルキャストについてご紹介します。

 

 

1)なぜ鋳物なのか

 

アルキャストが採用される最も大きな理由は、金属素材でありながら自由な造形が可能である事です。

 

金属特有の重量感や重厚さを確保しつつ、既成型材や板材の組み合わせによるデザインでは表現できない自由な形状、多彩な表面テクスチャーなどを実現することができます。

 

 

2)なぜアルミなのか

 

 

(1)重量

 

アルミの重さはスチールに比べて約1/3程度です。

建築工事において軽さは、本体や部材にかかる荷重の軽減、施工性の向上につながるため、重要なポイントです。

 

 

(2)耐蝕性

 

材表面に自然に形成される酸化アルミニウム被膜により保護されるため、高い耐蝕性があります。

 

 

(3)製造の容易性

 

融点が、スチールの約1540℃程度に比べ約660℃と低く、鋳造が容易と言えます。

 

 

3)建築のどの部分に用いられるか

 

 

(1)パネル類

 

壁や軒天用の化粧パネル、柱の化粧カバーなどに用いられますが、耐蝕性が高いため、特に外装用としてよく採用されます。

板材をベースにした通常の金属外装板にくらべ、練り物のような柔らかく深みのある表情が実現できます。

 

 

(2)造作部材など

 

小庇、ルーバー材、手すり、スクリーンなどの造作部材や、門扉、フェンス、車止めなどの外構用部材、サインなど、多彩な用途に用いられます。

 

 

4)どんな製造法が用いられているか

 

建築工事では、砂型を用いる下記の方法などが用いられます。

 

 

(1)自硬製鋳造法

 

木型の周囲を硬化性のある砂材で固めて鋳造用の砂型をつくる製造法です。

 

 

(2)Vプロセス鋳造法

 

バキュームプロセスの略で、木型の上に、真空技術を用いてフィルムを吸着させ、その上に砂を充填させた上、やはり真空技術を用いて最初のフィルムごと砂を硬化させ砂型とする製造法です。

パネル材など、大きな部材の製作が可能です。

 

 

(3)上製法の注意点

 

基本的に、木型の周囲に固めた砂型を、一度分割して木型を取り除き、分割した砂型を再度合わせて鋳型とします。

 

砂型を分割して木型を取り除く際、砂型を左右(または上下)にきれいに抜く必要があるため、あまり入り組んだ形状では製作できない場合があります。

 

以上アルキャストについてご紹介しました。

実務において参考になる部分がございましたら、ぜひご活用ください。

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